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伊藤 文雄*
JNC TJ6420 2000-002, 59 Pages, 2000/03
本研究は、レーザー照射による岩盤掘削技術の開発を目的としている。このレーザー岩盤掘削技術は、対象岩盤の地質、賦質に囚われることなく、掘削周辺の環境に極めて与える影響が少ないという特徴がある。そして、堀削地の後、埋め戻す必要のある廃棄物処理場の堀作、様々な地層を掘り抜くロングスパンの立坑やトンネルの堀作及び岩盤・地盤の改良に期待される。レーザーは、エネルギーを局所に集中される特徴があり、鋭い鋏のように小さな力で大きな領域を不連続化、あるいは切断していくことができるとともに表面から深くにある部分の溶融ガラス化によって亀裂等を寒ぐといった改良が可能とされる。このことは、エネルギーの有効利用、自然環境保全、作業環境の改善にも結びついていく。処分坑の堀削、炉解体、鉱山跡措置等、核燃料サイクルの分野では、岩盤やコンクリートなどを限られたスペースを利用して堀作、切断溶融する必要が生ずる。これまでは、主として大型の機械により行われてきているが、これらの機械は、設備の巨大化や重量の大きさ、無人化の難しさ、限定された切断形状、廃棄物の安定化など、改善が求められていても、発展性が非常に乏しい。本研究では、これまで、レーザー岩盤堀削に係る実現へのブレークスルーを見出すべく、レーザーの高出力化、小型化、ファイバーによる伝送などの動向を調査、基礎的な研究を行うとともに、レーザー堀作の具体的なシステムイメージを検討してきた。本年度はレーザ堀削技術技術研究のまとねとして、高出力レーザーにより不連続化した岩体への削除への応用や流下体(溶融ドロス)の除去方法の改善等を意識し、岩盤改良にも効果が高いと考えられる低出力レーザーの利用について検討を行う。
宇都 成昭; 若林 利男; 早船 浩樹
PNC TN1410 98-007, 94 Pages, 1998/04
汎用性、低い資源依存性、安全性、核不拡散性等、次世代を担う原子炉の条件を満足する概念の一つと考えられる小型高速炉の具体的なシステム像の構築を目指すため、平成8年11月に小型炉技術検討ワーキンググループが発足した。本報告書は、当ワーキンググループのメンバーとして著者らが1年余りにわたり行ってきた原子炉システムに係わる技術的検討の成果をまとめたものである。検討に先立ち、小型高速炉の開発においては、実験炉、原型炉の経験や大型炉研究での成果・知見を最大限に活用した早期開発、並びに既存技術の効率的活用と新技術の順次実証を基本方針として、以下に示す3つのステップに分けて標準化に至るまでの開発を進めるべきとの考えを示した。・第1ステップ:デモ機第1段階既存技術で実現可能な経済性を確保しつつ、5年程度の開発期間をもって基本システムの実証を行う。・第2ステップ:デモ機第2段階(高性能化)経済性の大幅な向上並びに新技術導入(新型燃料を含む)による炉心・プラントの高度化を実現する。・第3ステップ:標準化発・送電システム全体として現行軽水炉発電技術と経済的に競合し得る実用小型高速炉の標準化を実現する。本報では、第1ステップでの開発実証に焦点をあて、燃料開発に係わる豊富な実績により第1ステップで必須とされる開発期間の縮小化に最も有利な混合酸化物燃料炉心を取り上げ、核・熱計算による評価を含めた炉心及び原子炉構造に係わる技術的検討を行った。その結果、受動安全特性の向上等による高い安全性を確保しつつ燃料交換サイクル2年程度を達成し、第2ステップ以降の炉心・プラントシステムの高度化に柔軟に対応し得る電気出力約5万kWeの小型高速炉システムの成立性見通しを得た。また、第2ステップ以降の具体像について炉心を中心とする予備的検討を行い、混合窒化物燃料の活用が有望な一方策であることを示した。
大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 91-305, 20 Pages, 1991/09
1991年5月に纏めた動燃報告書PNC ZN9410 91-176"深海調査用高速炉システムの重量検討"の追加計算を行った。上記報告書では、無人基地用動力源(水深8020mを想定、10kWe)及び1万m級潜水調査船用動力源(20kWe)について、高速炉システムの耐圧殻込みの重量を試算した。本報告書ではその後得られた知識を用いて追加計算を行った。追加計算の主な内容は次の通りである。1.水深を固定せずに変数として、重量と水深の関係式を求めた。2.この動力源を深海調査用に用いるときは、海水中での重量を0とするため浮力材を取りつける事になるが、この浮力材についても重量を求めた。3.上記報告書では、無人基地用動力源(10kWe)の発電方式を、1.3kWeの密閉ブレイントンサイクル8台使用するとしたが、本報告書では5kWeものもを2台使用するように変更した。追加計算の結果では、水深1万mの場合浮力材込みの総重量は、10kWeのときは約13.6トン、20kWeのときは約13.9トンとなった。
大坪 章; 羽賀 一男
PNC TN9410 91-176, 51 Pages, 1991/05
深海調査用高速炉について用途別に検討を行っている。ここではこれらの動力源のうち,近い将来に需要があると期待される無人基地用動力源(水深8020mを想定,10kWe)および1万m級潜水調査船用動力源(20kWe)について概念を構築した。出力変換方式として前者では熱電気セルおよび密閉ブレイトンサイクルを,後者では密閉ブレイトンサイクルを採用している。このような深海調査用動力源では重量が軽いほど好ましい。構築した概念に基づく計算の結果,この高速炉システム総重量は耐圧殻容器込みで,1万m潜水調査船用動力源でも10トン以下になる見通しを得た。